レーザテクスチャリングを用いた撥水ピペットチップによる分注精度の向上

摘要

分析装置に微量の液体試料を分注するマイクロピペットやマイクロシリンジは，その分注精度により分析結果に大きな影響を与えている．点着時にピペットチップ外壁への液滴の這い上がりやピペットチップ先端への液滴残留付着が生じると点着量が減少し，分注精度の悪化要因となる．したがって，ピペットチップの外壁や先端面への液体試料の付着防止が重要となる．そこで，熟練者は分注時にチップ先端部を容器の壁面に沿わせて吐出することで，液体試料の付着を軽減し，分注精度を向上させている．しかし，このような方法は熟練を要するうえに個人差が大きいため，誰でも高精度に分注できるピペットチップの開発が望まれている．