セルフクリーニングガラスの表面粗さ付与による防汚性向上

摘要

建造物の窓や車両のフロントガラス、太陽電池のカバーガラスなど様々な用途で使用されているガラスは、大気中の汚れが付着し堆積すると汚れが目立つ、透光性が低下するといった欠点がある。そのため、外観や視認性、発電効率を維持するために防汚性能の向上が求められており、親水性あるいは撥水性コーティングによって汚れの付着を防ぎ、雨などを利用して汚れを除去するセルフクリーニング効果が注目されている。最近では、ハスの葉構造など自然を模した低付着性表面の研究や超撥水表面を形成したセルフクリーニングの研究など多くの研究が行われている。これらの研究から、表面の凹凸形状がセルフクリーニング特性の向上には効果的であることは分かるが、実際の凹凸設計に関して検討されたものは少ない。そこで本研究では、優れた防汚性を示すセルフクリーニングガラスに求められる表面設計指針を明らかにするため、親水性コーティングを用いたガラスの表面粗さとセルフクリーニング防汚性能の関係を検討した。