ギ酸脱水素酵素と亜鉛ポルフィリンを用いた可視光による炭酸水素イオンからのギ酸合成反応

摘要

近年，化石燃料消費に伴って排出されるCO2による地球温暖化の問題がクローズアップされている．日本の二酸化炭素発生量は全世界の4．8％を占めており，この値は先進国の中では少ないが，1人あたりの発生量を考えると世界の平均の2倍に相当する．そこで，1997年に京都議定書が交わされ，各国の具体的な二酸化炭素削減目標が明らかにされた．つまり，二酸化炭素の削減や有効利用法を早急に開発する必要がある．そこで，本研究では二酸化炭素の有効利用法の開発として太陽光の分布強度が強い可視光領域の光を利用した二酸化炭素からの有用物質生産系の構築を目的として，光増感剤とギ酸脱水素酵素を用いた二酸化炭素のギ酸への変換反応に関する研究を行った．