(A2-15_SHIMADA_Yasuhiro)RTM 成形における成形欠陥の数値解析予測と実験的検討

摘要

RTM（Resin Transfer Molding）成形は，低コストかつ高い生産性を有するため注目を集めているが，樹脂含浸時にボイドが残留し，材料強度を著しく低下させる問題がある．また，複雑構造物の成形では樹脂結合が多く発生し，樹脂結合面のウェルドライン付近ではフローフロント形状や流速が変化し，ボイドの分布に変化をもたらすことが考えられる1,2)．このような成形欠陥を減少させるためには，数値解析による予測が有効である．従来研究では，樹脂流速に基づいたボイド発生の予測手法が提案されている3)が，ボイドは形成後に樹脂流動や注入圧によって移動，収縮するため，形成位置と残留位置でその位置と形状が異なる場合がある．正確なボイド，ウェルドラインの残留位置を予測するため，ボイド形成後の移動を考慮し，ウェルドラインの形成挙動を同時に予測する数値解析手法が必要となっている．