TPD-MS法によるゼオライト上のVOC吸着脱離に関する水の影響解析

摘要

大気汚染の原因の一つである揮発性有機化合物（VOC）はシックハウス症候群等の環境汚染の原因物質であると考えられており、非常にわずかな量でも人体に悪影響を及ぼすことが問題となっている。空気浄化用の吸着剤は民生用にも工業的プロセスにおいても広く使用されている。吸着脱離の振る舞いは物質の表面の活性サイトに支配されている。実践的な条件下で存在する水は吸着脱離現象に大きな影響を与えている。本研究では、吸着剤に数種のゼオライトを、吸着質に代表的な非極性分子のVOCであるトルエンと極性分子のモデルとしてエタノールを用い、それぞれの物質の表面のサイトとの吸着脱離特性を昇温脱離（TPD）法によって評価し、水の存在の有無による影響を比較検討した。