歩行補助器の操作と応答の解析

摘要

日本では，少子高齢化社会が進行している．2016年の高齢化率（65歳以上人口割合）は27.3%であり，今後の高齢化率の増加により，要介護者が介護を受けることができない状況が予想されている．2025年では介護人材の需要見込みが約253万人であり，介護人材の供給見込みが約215万人で，その差が38万人である．そのため，介護者が介護を行わなくても，被介護者が歩くことができる福祉機器は必要であると考えられている．例えば，自立歩行をサポートする歩行補助器がある．菊池製作所が開発した楽WALKと呼ばれる歩行補助器がある．これに乗り，歩くことで歩行に必要な足の力を軽減することができる．先行研究では，電動化することにより，足にかかる負担を軽減した．しかし，スイッチ操作により足に全く力を入れなくても前進できてしまい，自力走行に違和感があった．これを解決するためには，非電動式の楽WALKでの操作に対する機体の応答を調べる必要がり，さらに，楽WALKのキャスタによる乗り心地の悪化も解決する必要がある．