CoCrFeMnNiハイエントロピー合金の介在物を起点とする孔食

摘要

ハイエントロピー合金は五種類以上の金属元素を混合し、高エントロピー化による固溶体形成を狙った合金である。ハイエントロピー合金は高い機械的性質や高い耐食性を有する可能性が高い。典型的なハイエントロピー合金の一つとして、CoCrFeMnNiハイエントロピー合金は304ステンレス鋼より高い耐孔食性を有している。しかしながら、ステンレス鋼では介在物に孔食の起点になるとは解明されているが、CoCrFeMnNi合金の孔食起点は未だ不明である。本研究では、CoCrFeMnNi合金に対して、in situ観察機能付きマイクロ電気化学システムを適用し、介在物と孔食との関係を解析した。さらに、耐孔食性の上昇を目標として、硫酸中でアノード酸化処理を行い、耐孔食性の変化を解析した。