高機能難加工材の曲げ加工に関する結晶方位データベースの構築

摘要

しかし両材料とも，基礎的な材料特性や二次的な製品加工に関する加工特性に不明な点が多く，これらを難加工材と定義することができる．微細結晶粒材ではV曲げ加工において従来の焼鈍材と材料特性が全く異なるために，スプリングバッック量の高精度予測は困難である．さらに，レーザ加工材ではレーザ照射部に多大な熱影響を受けるため，ブランクの部位により組織や材料特性が異なり，高精度曲げ加工を行う上で大きな問題となっている．このような微細結晶粒材とレーザ加工材について加工特性を把握し，高精度曲げ加工を実現するためには，巨視的な材料の機械的性質のみならず，微視的な材料特性である結晶方位を調査する必要がある．そこで本研究は，曲げ加工におけるスプリングバック量と材料特性に影響を及ぼす重要な因子である結晶粒方位を対にしてデータベースに構築した．