矩形流路内に溜まった凝縮水のエア流入による排出の気液二相流シミュレーション

摘要

気液二相流とは気相と液相が混在した流れであり，物理現象や配管内流れに代表されるような工業製品の開発でも多くみられる流れである．気液二相流の現象解明や工学設計上役に立つ知見を得るためには，二相流の界面を直接捉えたシミュレーションを行うことが求められている．気液界面は格子を横切って変動するため、直交格子に基づいた計算は精度が高く効率が良い．単体プロセッサとして演算性能が高いGPUを用いることにより、流体シミュレーションを高速に実行することができる．非圧縮性気液二相流に対して，圧力ポアソン方程式を解く半陰解法は，大規模計算のスケーリングが悪化することが報告されている．これに対して，弱圧縮性近似に基づいた完全陽解法による気液二相流計算手法が開発され，激しい流れを含hだ様々な流れの計算で良好な結果が報告されている．また，均一格子は流れのない領域にも格子を配置するなど計算効率が悪いため，気液界面および物体近傍に高解像度格子を動的に配置するAMR（Adaptive Mesh Refinement）法を導入している。本研究では，気体側の流速が大きく気液界面で強いせh断があるような流れを詳細に解析するために，弱圧縮性近似に基づく気液二相流計算手法を採用する．