ナノ秒パルスプラズマアクチュエータを用いた翼上の流れ制御のための数値モデルに関するパラメータスタディ

摘要

誘電体バリア放電（Dielectric Barrier Discharge：DBD）を用いたプラズマアクチュエータ（PA）は，近年注目されている流体制御デバイスの一つである．Fig.1に示すように二対の電極とこれらを絶縁する誘電体から構成され，電極間に電圧を印加することで発生させたプラズマを利用して流れを制御する．プラズマが周囲流体にもたらす影響は印加する電圧に依存し，近年では，電圧の立ち上がり／下がりが数ナノ～数百ナノ秒のナノ秒パルス電圧を印加することで，プラズマの熱的な効果を使った制御も行われている．これはプラズマ内を通過する電流のジュール加熱により，熱的な撹乱を流れに与える制御であり，いくつかのアプリケーションにおいては，この熱的な撹乱が高速流の制御においても有効な事が報告されている．