回転に対し傾いた磁場をもつ大質量星コアの重力崩壊と超新星爆発

摘要

II型超新星の爆発機構はいまだに謎である。これまでに一般相対論やニュートリノ輸送、高密度ガスの状態方程式などを精密に計算したシミュレーションも行われているが、球対称を仮定したモデルでは爆発を再現できない。また超新星爆発が非球対称である観測的証拠や状況証拠も増えてきていてる。このようなことから近年、回転や磁場など、超新星爆発を非球対称性にする要因についての研究やシミュレーションが盛hになってきた。しかし回転と磁場を考慮したシミュレーションのほとhどは、軸対称性を仮定したもので、磁場が回転軸に対して傾いた効果を考慮していない。本講演では初期磁場が回転軸に対して傾いている場合を考慮したシミュレーション結果を示す。このシミュレーションでは、縮退したガスによる圧力のほかに、Satoでは取り入れられていなかった熱的な圧力も考慮している。シミュレーションでは、中心密度が7×10~9gcm~(-3)の段階から4.5×10~(14)gcm~(-3)に達して原始中性子星が形成されるまでと、原始中性子星進化の最初の数10msを入れ子状格子により再現した。