Dust Devilの発生環境と構造に関する数値実験

摘要

よく晴れた日の午後、砂漠などの裸地では、Dust Devil(以下DD)と呼ばれる直径数m～100m程度の強い渦がしばしば発生する。観測結果によると、DDは地表面付近に超断熱層があり、一般風が弱く、午後の早い時間を中心に数多く発生する。DDの発生には浮力と鉛直渦度が必要であるが、鉛直渦度の成因については諸説2-4)があり、完全には理解されていない。また、一般風の影響や、なぜ午後の早い時間帯に発生やすいかについても、十分には理解されていない。本研究では、Large Eddy Simulation (LES)により、なぜ一般風の弱い日の午後早い時間帯にDDが多く発生するかの理解を試みる。