ウェアラブルセンサによる人間の行動認識システムに関する研究－（第１報）システムの基本設計

摘要

ネットワークの常時接続化·ブロードバンド化·ワイヤレス化によって，いつでもどこでもきめ細かな情報のやり取りが可能となりつつある．このようなユビキタス·ネットワークの普及に伴い，ホーム·ネットワークやカー·テレマティクスなどセンサや機器相互の連携による安全性や利便性を向上させるユビキタス·システムが開発されている．しかし，多様化する個人の趣向やその場その時その状況に応じた最適な情報提供や機器の制御はいまだ発展途上にある．個人のライフスタイルや時間·場所·状況に合わせて個人に有益な情報提供や行動支援をするためには，日常生活においても装着可能なセンサによるユーザの状況認識が重要である．近年，情報機器の高機能化，小型軽量化や無線通信技術の進歩により，日常的に装着しても負担が少ないセンサシステムや情報端末の開発が容易になってきた．そこで，ウェアラブルな装置を用いてユーザの場所·時間·身心情報をセンシングし，集めた各センサ情報を融合して解析してユーザの行動状況を推定するための，行動認識システムの構築を目指した．