のこぎり歯形状を有する表面によるマイクロパーツの輸送～のこぎり歯のピッチが輸送に及ぼす影響

摘要

筆者らは，図1に示す，のこぎり歯形表面を有するマイクロパーツフィーダを提案している．この機構は，振動式フィーダの表面にのこぎり歯形状の溝加工を施し，マイクロパーツとフィーダの接触条件を正負方向で変化させることで，対称な平面振動による一方向輸送を実現する．このような機構においては，マイクロパーツ表面とのこぎり歯表面の接触状態によって，マイクロパーツの輸送条件が変化する．適切な接触条件が得られる表面形状を設計するためには，マイクロパーツの表面あらさを把握し，それに応じたのこぎり歯表面を選択する必要がある．本報では，マイクロパーツの表面あらさを球面でモデル化し，それらとのこぎり歯の接触状態を解析する．また，マイクロパーツの動特性モデルを導出し，のこぎり歯表面の振動による輸送におけるダイナミクスを導出する．さらに，それらのモデルを用いてシミュレーションを行い，のこぎり歯のピッチと輸送の関係を確かめる．