卓上作業支援システムのための人間：自走式トレイ間の物体受け渡し

摘要

これらの研究では，いずれもロボットとしてマニピュレータの使用を前提として，マニピュレータに人間らしい動きをさせることに主眼が置かれている．人間が支援を必要としている場合には，ロボットには概して高い速度で動作することが要求されるが，マニピュレータを高速で動かすことは人間にとって危険を伴う．また，物体が複数存在するような場合には，マニピュレータが物体を把持するための時間も必要になる．これらのことから，物体受け渡しにおいてマニピュレータを用いることは現実的ではない．本研究では，人間の生活の中でも特に重要と考えられる卓上作業の支援への応用を想定し，ロボットとして，マニピュレータではなく，平面を移動する複数の自走式トレイを用いる．自走式トレイを用いることによって，高速な動作を安全に行うことが可能になると考えられる．