作業時における生体負荷の評価（第2報）－呼吸位相領域の心拍変動解析を応用したリアルタイム負荷評価手法

摘要

セル生産方式のような人間作業者を用いる生産システムにおいては，作業者を支援するため知能化·機械化された生産システムが求められている．作業者への支援は，単に機械的に支援を行うだけでなく，作業者の精神的·生理的状態（緊張や疲れなど）を読み取り，それに応じた支援を行うことも必要であると考えられる．心拍動の呼吸性の変動成分（RSA: Respiratory Sinus Arrhythmia）は作業者における快適性や集中度の指標として用いられている．我々は呼吸位相領域で心拍変動を解析することで，従来の周波数解析を用いた手法[2]に比べより高精度にRSA を抽出し評価する手法を開発した[3]．本報では段階的に暗算負荷を変化させた時の作業者の副交感神経活動について，抽出したRSA の精度を従来法と提案手法で比較した．さらに，評価をリアルタイムで行うことのできるシステムを開発した．