温熱および運動負荷時における生体反応の解析－皮膚血流計を用いた循環系機能の計測と評価手法の検討

摘要

本研究は，ヒトの個体差をふまえた空調制御により，快適性とエネルギー効率の両方を向上させる手法の開発，また，ヒートアイランド現象などの暑熱環境下でのリスク評価と安全管理，改善指針を得ることを目的としている．その第一段階として，健常者を対象に，心電図ならびに光センサを用いた非侵襲的な皮膚血流測定をおこない，温熱および運動負荷による生体反応について調べた．さらに，皮膚血流計の信号から，新たに生体の状態を示す指標として広く用いられる容積脈波成分の抽出を試み，自律神経（交感神経·副交感神経）活動を定量的に評価する方法について検討した．