多様なセンサーによるデータ収集に基づく厩舎における競走馬の体調管理サービスの提案

摘要

日本で飼育される馬の頭数はおよそ7万頭で、その約60%はサラブレットやアラブ種などの競走関連馬である。同じ家畜である牛、豚に比べて圧倒的に少ないが、一頭あたりの管理コストは高い。例えば1歳の競走馬の取引価格は427万円（中央値）である。競走馬飼育で多様なセンサーを用いたデータ収集のためのIoT環境構築の例は少なく、厩舎内に限定して競走馬の体調管理を低コストで実現する手段は価値があると考えられる。また、IoTデバイスの導入により、競走馬の飼育状況を可視化し、データを分析、利活用することで競走馬の死亡率、疾病率を低下させ、競走馬にとってのより快適な飼育管理に貢献できる。