総論～電気鉄道技術の技術集約的な側面について

摘要

2015年1月から活動を行っている電気学会産業応用部門傘下の「鉄道電気利用における省エネルギー·新エネルギー技術の効果の検証調査専門委員会」ではこれまで、3回のシンポジウムを開催してきた。このうち、2015年9月の平成27年産業応用部門大会での「S7：世界へ羽ばたく！日本の電気鉄道と省エネルギー技術」および、2016年8月の平成28年産業応用部門大会での「S1：鉄道事業におけるエネルギー消費の実態把握」では、調査専門委員会活動の中間報告の意味も込め、委員会メンバーからの報告を行った。一方、2016年3月の平成28年電気学会全国大会では「S20：鉄道電気技術のオープンイノベーション～鉄道でこhな技術、使えませhか？～」を企画し、平素、鉄道分野と関わりの深くない様々な分野の8名の研究者にご登壇頂き、それぞれの専門分野の最近の趨勢、およびそれらの技術の鉄道応用の可能性についてご講演頂いた。学会活動において、鉄道電気技術は特殊な要素が多く、またそのコミュニティは比較的閉鎖的であり、ともすると「一見さhお断り」的な雰囲気もあると感じることがある。鉄道電気技術の実務に携われば携わるほど、新しい提案に対して「できない理由」を容易に論うことができる。そこで、このセッションでは、門外漢の先生方に自由に発想を披歴して頂き、聴衆は「批判はしない」ことを旨とした。結果、当日のセッションには、いつも鉄道関係のセッションに集まっている技術者、研究者だけでなぐ、多くの分野の技術者が参集して下さり、総合討論も時間が足りなくなるほどの活況となり、講演して頂いた先生方からも、好意的な感想を多く頂いた。そこで今回、新たに8名の研究者に協力頂き、第二弾を企画するに至った。