テラヘルツ波の反射による表面粗さを有する誘電体の屈折率測定法

摘要

近年，光波と電波の間の周波数領域における電磁波であるテラヘルツ波（周波数0.1～10THz）の非破壊検査応用が進hでいる。テラヘルツ波はプラスチック·セラミックス·木材·塗料などを比較的よく透過するため，透視·内部欠陥検出·膜厚測定などの応用が報告されている。膜厚測定や断層イメージングにおいて，厚さや深さを得るにはテラヘルツ帯における誘電体の屈折率が必要である。通常，屈折率は透過型配置におけるテラヘルツ時間領域分光法（THz-TDS: Terahertz time domain spectroscopy）によって測定されるが，金属表面上の誘電体については反射型配置における測定が必要となる。例えば，金属表面上に溶射されたセラミックス製の耐熱コーティングの屈折率は溶射条件によって異なるため，セラミックス材料の屈折率が既知でも，溶射された膜の屈折率は不明であり，反射型配置で測定する必要がある。