弱電離気体プラズマの解析(LXXXIII)大気圧パルス放電による液体中の難分解性化学物質分解(3) 溶液に溶解した種の濃度測定

摘要

近年，ダイオキシンやVOCなどの難分解性有機化合物による水質汚染が問題となっており，その処理方法の一つとして促進酸化法が注目されている。著者らは，これまで，フェノール水溶液およびメチレンブルー水溶液をモデル汚染水とし，促進酸化法の一つであるパルス放電を水上で発生させたときの分解特性を調査し，バックグラウンドガス(以後BGガスと記す)の組成や放電形態が分解特性に影響を与えることを示してきた。これまで，パルス放電で生成されるオゾンおよび窒素酸化物の生成量と分解率について調査してきたが，今回は，パルス放電の照射によって水溶液に溶解する種の濃度を調査する。ここでは， BGガスの組成を変化させながら，パルス放電を脱イオン水に照射したときの溶液中のH_2O_2，O_3およびNO_x濃度を測定したので，その結果について報告する。