カンチレバー型触覚センサのNiCrゲージ薄膜抵抗温度係数のエラストマ埋め込みによる影響

摘要

近年、高齢化社会が進む中、高齢者や病人の生活を補助する介護用ロボットや柔らかい物を扱える産業用ロボットが注目されている。こういったロボットには安全性や作業性のために人間と同様の触覚機能が必要であり、我々はそれを満たすような傾斜角を持つマイクロカンチレバーを用いた3軸力触覚センサを提案している。このカンチレバー構造の反りを形成するために応力層のCYTOPと活性層Siの熱膨張率の違いによる残留応力を用いている。このため測定環境に温度変化が起こると、カンチレバーが変形し出力の検出に問題が生じる。今回は、カンチレバーの反り量と抵抗温度係数（TCR）との関係について調べ、加えてカンチレバーのリリースによるTCRの変化やカンチレバー保護用のエラストマ（PDMS）に埋め込むことによるTCRの変化について調べたので報告する。