燃料電池用パルスリンク方式DC-AC コンバータにおける直列LC 回路パラメータと入力電流リプルの関係

摘要

燃料電池を用いたエネルギーシステムにおいて，燃料電池からの電流リプルが問題となる．電流リプルは，寿命の低下や変換効率の低下など，燃料電池の特性劣化を引き起こす恐れがある．燃料電池用DC-AC コンバータにおいて，低周波の入力電流リプルが生じる．従来の燃料電池用DC-AC コンバータでは，前段の昇圧回路と後段のPWM インバータの間に大きな容量の平滑コンデンサを挿入することで，燃料電池からの入力電流リプルを低減させていた．しかし，このコンデンサが，小形化を困難にしていた．そこで，著者らは図1 に示す，パルス電圧をPWM インバータに直接供給するパルスリンク方式DC-AC コンバータを提案している．この方式は，平滑回路を必要としない為，小形化が期待できる．更に，入力電流リプルを低減させるために，PWM インバータの入力両端と並列に，直列のLC回路が接続されている．本稿では，この直列LC 回路のパラメータと入力電流リプルの関係について調べ，入力電流リプルを低減するパラメータを考察する．