X線マイクロトモグラフィによる改良9Cr－1Mo鋼におけるクリープ損傷の進展評価

摘要

高Crフェライト系耐熱鋼は，クリープ特性ならびに耐熱性に優れているため，高温環境中で使用される構造部材に広く利用されている．しかしながら，HAZ細粒部で生じるタイプⅠⅤ損傷が要因となり，溶接継手部の長時間クリープ強度が低下することが知られている，HAZ細粒域では，溶接金属と母材により変形が拘束されるため多軸応力状態となっている．これまでに，多軸応力下におけるクリープ損傷量やクリープ破断時間を予測するシミュレーションに関する研究がなされている．しかしながら，予測結果の検証のために実施されてきたポイド観察は，試験中断後の断面観察であるため，3軸的に成長するポイドの3次元形態を十分に評価できていない．また，個々のポイドの発生時期や，成長量を定量的に評価することができていない．