押出し加工性に優れたシリンダスリーブ用アルミニウム複合材料の開発

摘要

アルミニウム製シリンダブロックのなかでも，シリンダボア面をアルミニウム合金製としたものは重量および運転時のボア真円度や熱伝導性の点で，鋳鉄スリーブを鋳込hだものに対し優れている．これらはエンジンの軽量化，高回転化，耐ノック性能の向上に寄与するため，アルミここウムのボア面を有するシリンダは軽量でかつ高出力が要求されるエンジンに採用されている．しかし，ボア面と摺動するピストンは一般にアルミニウム合金製であり，同種金属同士の摺動となることから焼付きを発生しやすい．この焼付きへの対応がアルミニウムのボア面を有するシリンダにおいて大きな課題であり，これまでにさまざまな仕様が開発されてきた．Table 1は過去に実用化されたアルミニウムのボア面を有するシリンダブロックを，その製法と摺動面の材料によって分類整理したものである．ブロックは単一材料からなるものと，別体のスリーブを鋳込hだものに大別できる．