コロイダルシリンダの表面張力によるばね定数とヒステリシス減衰の動的振動伝達特性の解析

摘要

車両の小型·軽量化及び脱石油化の車つくりが求められている中，ばねとダンパが一部品で構成できる新概念の水と疎水化シリカゲルで構成されたコロイダルダンパの研究発表が近年多くされている．この技術は1996年のEroshenko Valentin の特許，1997年の論文発表で提案され，日本ではSUCIU ら，岩壷ららが基礎的解析から応用結果まで多く発表している．概要は，シリカゲル粒子内の細孔部に浸水·出水する水の表面張力を利用して，ばね特性とヒステリシス減衰特性を実現する緩衝装置である．基本特性であるばね定数の静的特性は先論文で設計要件を定式化し，車両評価の検証へと繋げてきたが，ばね定数とヒステリシス減衰特性は動的に変化しており，懸架装置としての振動モデルが特定されていなく，従来のサスペンションと同じくパラレルモデルの発表とシリアルモデルとしての発表がある．