Ahmedモデル後部面の形状変化による空気抵抗値への影響（第2報）: プラズマアクチュエータによる効果

摘要

自動車の高速化や環境問題への関心が高まる中，燃料消費量に影響する空気抵抗の低減が重要になってきている．このため，自動車の空気抵抗低減技術とその基礎的な空力現象の解明は重要である．自動車の形状が空気抵抗に与える影響が大きいことは言うまでもない．Ahmedらは簡易自動車モデル（以下Ahmedモデル）の後部面イ頃斜角度（以下スラント角）を変化させ空気抵抗の増減を調べた．スラント角以外の形状は同一であるが，このスラント角が30°の時に空気抵抗が最大になることを示した．すなわち，バックドアの角度以外同じ开多状で，この角度が30°の車両と90°のスクエア·バック車両では前者のほうが空気抵抗は大きくなる．翼端から発生する翼端渦と同様の主流方向に中心を持つ一対の縦渦が，車両後部から発生する．スラント角が30°のときにこの渦の強さが最大となり，この渦による誘導抵抗のため車両の空気抵抗も最大となる．本研究では，スラント角が30°のAhmed モデルの空気抵抗低減を目的とし，車体にプラズマアクチュエータ(以下PA)を取り付けた効果を風洞実験により調べた．本研究は先の研究結果に新たな結果を付け加えた．