ディーゼルエンジン後処理用排気管内インジェクタから噴射される噴霧挙動解析（第3報）－高温場における壁面衝突噴霧の蒸発特性

摘要

近年，ガソリン機関に比べ高効率および低CO_2排出のディーゼル機関が注目されている．しかし，ディーゼル機関から排出される粒子状物質（PM：Particulate matter）および窒素酸化物（NO_x：Nitrogen oxides）は環境や人体に悪影響を与えることが知られている．また，排気ガス規制が年々強化されているため，後処理技術が必要不可欠となっている．そこで，PMに関してはディーゼル微粒子捕集フィルタ（DPF：Diesel Particulate Filter）によって90%以上捕集しているが，捕集量の増加に伴い，圧力損失および浄化効率が低下するため，捕集したPMを燃焼除去するDPF 再生が必要となる．再生するためには600°C程度の雰囲気場が必要となるが，ディーゼル機関が市街地走行する際の排気温度は600°Cに程遠い.