普及型エンジンを狙った連続可変（リフト＆開角＋位相）動弁機構の開発

摘要

ガソリンエンジンにおいて，連続可変バルブリフト機構を用いてノンスロットル運転を実現することは吸気ポンプ損失を低減でき，特に部分負荷領域の省燃費効果が大きい．複数の連続可変バルブリフト（Variable Valve Actuation）機構が発表されている一方で，市販されているガソリンエンジン車の中で，これらの機構を搭載している車種は一部に限られ，十分普及しているとは言い難い．この理由のひとつに，既存の連続可変バルブリフト機構の多くが複雑な構造をとっており，コストが高いことがあげられる．そこで低コストな連続可変バルブリフト機構を開発し市場に供給することができれば，販売台数の大きな普及型エンジンに搭載することが可能となり，自動車社会全体の省燃費化を大きく進めることが期待できる．本報では，新しく開発した連続可変動弁機構（以下：OVVPL）について，目標設定および機構の選定，数値シミュレーションによる動的挙動予測を活用した開発プロセス，ならびに試作機を用いた試験結果について報告する．