静かな車（Quiet vehicle）の接近通報音に求められる音量に関する音響心理学的検討

摘要

元来このような静穏性は，これまでの自動車騒音低減対策の一つの到達点として歓迎されるべきものでもあろう，一方で，環境騒音下で自動車走行音を聴き取ることが難しく，歩行者にとって危険性が高いことが指摘されている．また，プリウスの静音性を悪用したひったくり事件が実際に日本で起きるなど，静穏性を悪用した犯罪の危険性も指摘されている．そのため，この問題への対策として，従来の車と同程度の音を補償する装置の開発ならびに利用が始まっている．典型的な例としては，車外に向けてスピーカから音を発するというものである．