高分散噴霧と筒内低流動を利用した低エミッション高効率ディーゼル燃焼（第2報）－多気筒エンジンによる排気性能実証

摘要

本燃焼法はPCCI(Premixed Charge Compression Ignition)の課題である燃焼効率，燃焼安定性，全負荷性能を改善することを目的とした．PCCIに適した均質度の高い混合気を形成するために，噴孔径を0.08mm，噴孔数を16とした小噴孔径多穴ノズルを採用した．こうしたノズルでは噴霧貫徹力が低下しスモークの発生により出力低下するが，本研究では圧縮比を14に下げることで克服した．低圧縮比の低温始動性悪化についてはスワール比を0.5に下げ，さらにリップのない燃焼室形状（以下，リップレス）を採用し，筒内気流の速度を下げる（以下，低流動化）ことで対策した．低流動化しても小噴孔径多穴ノズルは高分散噴霧を形成し，混合を維持できる．この結果，各要素の欠点を補完し長所を活かすことができる．