燃料電池自動車の火災時におけるPRD放出の安全性に関する研究

摘要

高圧水素ガスを使用した燃料電池自動車は，車両火災時に容器内の水素ガスの温度が異常に上昇した際の爆発を防ぐために，容器内の水素ガスを容器安全弁（PRD: Pressure Release Device）等を通してできるだけすみやかに，かつ安全に排出しなければならない．なお，PRD作動時には，容器内の水素ガスを0.7MPaまで低下させることが基準により定められている．図1は，水素ガスをノズルから直接大気へ放出した際の最高温度の分布を示している．図1より，PRD作動時は，高圧の水素ガスを大気へ放出するため，車両周囲の温度が広域の渡り高温状態になっていることがわかる．このようにノズルから直接大気へ水素ガスを放出すると車両周囲の温度が広域の渡り高温状態になることから，水素ガスを拡散させて放出させる方法も検討されている．本研究は，FCVの車両火災時における高圧水素ガスの放出方法に関して以下の検討を行った．（1）拡散箱に水素ガスを放出した際に車両周囲に及ぼす影響．（2）PRD作動後に火災が継続した際に容器に及ぼす影響．