昭和基地における垂直設置型PVの発電量調査―水平面日射量から任意の方位及び傾斜角度の日射量の推定（その2）

摘要

南極の昭和基地では様々な研究や実験が行われているが，今後，更なる研究や実験の増加が見込まれており，基地内の消費電力·熱量の増加が予想される．しかしながら，現在の南極観測船「しらせ」の燃料輸送容量では消費エネルギー分の燃料を賄うことができない．そこで，基地周辺で取得可能な太陽電池（PV）や，風力発電（WG）などの再生可能エネルギー（以下RE）の導入が重要である．このため，著者等は，燃料使用量の削減，CO_2の削減にむけたREシステムの適切な設備仕様，運用，制御方式等を検討している．REの一つのPVを導入する場合，南極では太陽高度は著しく低いため発電量増加の点から傾斜角度を大きくすることが望ましいが，現在実測されている日射量は気象庁による水平面だけである．そのため斜面の日射量を把握する必要がある．本報告では任意の斜面日射量の推定するための基礎検討として，気象庁が計測中の水平面全天日射量より，日射量が最大となる北面における各傾斜角の斜面日射量の結果を示す．