ポリシングパッド表面性状の定量評価手法の開発とその応用－研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響に関する多面的検討

摘要

ポリシングによる超精密研磨において，その研磨レートは消耗副資材として用いられるパッドの表面性状に依存することが知られており，パッド表面性状を的確，且つ簡便に評価し得る手法の開発が求められている．本研究ではダブプリズムを用いた接触画像解析法に基づくポリシングパッド表面性状の定量評価手法の確立を目的とし，接触点数，接触率，接触点間隔，並びに空間FFT 解析結果の半値幅を評価パラメータとして提案するとともに，現在，実用にも供している．本論文では軟質系発泡ポリウレタンパッドに対してコンディショニング条件の違いによる研磨実験，並びに連続バッチによる研磨実験を通じて，研磨レートに及ぼすパッド表面性状の影響について検討した結果を総括した．その結果，接触点数で約30/mm~2，接触率で約0.8%，接触点間隔で約400μm，空間FFT 解析結果の半値幅で約100μm となるパッドをコンディショニングで作り込むことによって，より高い研磨レートが得られることを明らかにした．