水路内沈降分離を利用した水溶性加工液の清浄化に関する研究－加工液中に含まれる懸濁物質の回収·分級装置の開発

摘要

研削現場では，加工液が循環利用されるが，加工液タンクに浮遊する切り屑や砥粒を取り除くのは難しい．加工液中の懸濁物質を取り除く既存法としては，切り屑が磁性体であればマグネットセパレータが利用されるが，遊離化した砥粒の回収はできない．そのためペーパーフィルタやカートリッジフィルタによる濾過や，サイクロン方式による遠心分離など複数の装置が直列で採用されているが，十分な清浄性能が得られていないばかりか，濾紙交換に伴う産業廃棄物の増加や，液清浄化に伴うエネルギ消費量の増大，装置の大型化など，多くの問題点が指摘されている．本研究では，微細屑を可能な限り大容量加工液タンクに投入しない方策として，フィルタを用いずに，加工液タンク直前の流路で懸濁物質を回収及び分級する装置を試作し，基本的な浄化性能を調査した．