精密計測ロボットに関する研究: 第1報：電磁石を用いて計測精度を向上させた精密計測ロボットの振動解析による精度向上要因の検証

摘要

発電所における表面粗さ計測は，環境負荷低減と品質保証，発電所の安全のために必要不可欠である．発電所やプラントの大型部品には摩擦部や回転部の穴や冷却·熱交換用の穴，管があり，摩擦抵抗の低減や耐摩耗性の向上，冷却効率·熱交換効率の向上ために，表面微細形状や粗さを計測する．これらの計測作業は，作業員による人手作業で行われている．発電所やプラントの部品·設備は，十数メートルから数十メートルにもなり，非常に大型であり，狭い穴の奥や高所での作業となるため，労力と危険を伴う．このような課題を解決するため，新しい粗さ精密計測ロボット技術を確立する．前報では，クローラ型精密計測ロボットと計測精度向上のための粗さ計測ユニットの開発と，これらの有効性の検証を測定実験により示した．本報では計測精度向上の要因が，粗さ計測ユニットの電磁石による振動の抑制であることを検証するため，精密計測ロボットに加振実験を行ったので，報告する．