霜結晶生成·成長の制御および抑制に関する研究

摘要

着霜現象は空気中に存在している水蒸気が水の凝固点以下にある物体の表面上で凝結し，氷と空気の多孔質層である霜層を形成する現象である．霜層を形成する霜結晶の生成·成長機構の制御は困難とされてきたが，筆者らは微細加工技術を用いて霜結晶が付着する冷却面表面を微細加工し，みかけの冷却面表面性状を変化させることによって霜結晶の生成·成長機構を制御し，冷却面表面の75％の領域に霜結晶を付着させないことに成功している．本研究では，霜結晶の生成·成長を制御および抑制する革新的な方法として，冷却面表面を微細加工する代わりに，境界層内に金網およびエッチングプレートを冷却面上に設置し，金網およびエッチングプレートに霜結晶を生成·成長させる方法を提案する．この提案に基づき，冷却面上の霜結晶の生成·成長機構を制御することを実験的に検討した．その結果，提案の有効性を確認したので，得られた結果を報告する．