自然対流下における霜結晶成長の制御および抑制に関する研究

摘要

着霜は霜結晶が時間とともに成長する現象である．さらに，着霜は熱および物質（水蒸気）が同時に移動する非定常現象である．この着霜を防止する方法として，空気中の水蒸気を除湿する方法があるが，除湿装置を新たにシステムに加えることは課題が多く，簡易な方法での除湿が望まれる．筆者ら[1]は，境界層内での除湿を提案し，基礎的な研究を行った．また，筆者ら[2]は，数百ミクロンの微細な凹凸面を人工的に冷却面表面に付与することによって冷却面表面性状を変化させ，冷却面表面上に霜結晶を成長させない領域を実現させることに成功している．本研究は，これまでの研究をさらに発展させ，冷却面上に霜結晶を成長させないことを目的とし，過冷却液滴を境界層内で生成させ，霜結晶の成長を冷却面から離れた位置で実現させることを検討する．