魚群を模した自律分散ロボットの群逃避行動の実現及び群効果の定量的評価

摘要

近年，複数の自律ロボットが相互作用を及ぼし合って新たな機能を生み出す創発機能の研究に注目が集まっている．これら複数ロボットの制御手法の1つである完全自律分散制御型は，頑健性，拡張性に優れるが，相互作用を最適に構築することは容易ではない．そこで，自然界における自律分散システムである，魚，蟻，鳥などの群行動を模倣した制御が解決法として用いられる．魚群の代表的な動きとして，SchoolingとEscapingがあり，中でも魚群の機敏な群逃避行動の協調メカニズムは，ロボットの運動協調だけではなく地震などの災害時に通信が困難な場合，素早く群に状況を伝達する代替手段としても重要であると考えられる．本研究では，魚群の振る舞いを模した自律分散型複数ロボットのための群行動アルゴリズムと，アルゴリズムを実現するためのロボットの構築を行った．その上，大規模な群システムによる群行動の振る舞いや，評価をするための，群のOrderの指標的規定と数値シミュレーションシステムの構築を行った．