二脚連続跳躍モデルの伸張反射によるロール方向制御

摘要

ヒトはセンシングしてから脳で判断し，筋肉に出力するまで一般的に数100msを要するといわれている．このような遅れがあるにもかかわらず，走行や跳躍など高速な運動を実現できるのは，上位中枢を介さない脊髄反射［2］や筋骨格系のもつ粘弾性国が寄与しているためであると考えられる．走行が片脚と地面との相互作用であるのに対し，跳躍運動は両脚と地面との相互作用であり，左右の脚をほぼ同位相にする必要があるという点で異なる．興味深いことに，人は接地と離地のタイミングが両脚で全く同時になることはなく，数10msの差があっても安定に連続跳躍できることが報告されている．このような安定な跳躍運動の実現に対しては，脊髄反射や筋骨格構造による粘弾性が大きく貢献していると思われる．