トラックターミナルを利用した配送保管計画に対する逐次最適化モデルと整数計画法による解法

摘要

部品サプライヤから組み立て工場へのトラックを用いた配送計画を対象とする．近年，多品種少量生産が進むにつれて，部品の配送量ならびに配送頻度が増大する傾向にある．このとき，複数のサプライヤで製造された部品を組み立て工場へ集約するような生産工程においては，サプライヤから工場へ直接部品を配送する(直送と呼ぶ) 以外に，1 台のトラックが複数のサプライヤ-工場を巡るような配送方式(追い積み直送と呼ぶ) が求められる．近年，トラックの容積率向上と配送に要するリードタイムの短縮の手段として，トラックターミナルが注目されている．トラックターミナルとは，部品の一時的な保管やトラック間の部品の受け渡しのための施設である．本研究では，複数のサプライヤと複数の工場間の部品配送を対象として，各部品の納期が与えられた下で，トラックターミナルの使用を陽に考慮してトラックの配送効率を上げるような計画問題について議論する．本稿ではこの問題に対して，一部の変数を数理計画法を用いて逐次固定していく構築法である緩和固定法を基礎とした拡張緩和固定法の適用を提案する．