パイロクロア型ルテニウム酸化物の高酸素圧合成と物性評価

摘要

パイロクロア型酸化物は一般式A_2B_2O_7で表され，特にB=Ruであるパイロクロア型ルテニウム酸化物では，Aサイトが希土類元素の場合は絶縁体的, Pb, Biの場合は金属的伝導性を示す. Fig.1はこれらのルテニウム酸化物の格子定数aをAサイトのイオン半径r_Aに対してプロットしたものである．絶縁体化合物（図中○）では，aとr_Aはほぼ直線断にあるのに対し，金属的なPb, Biiの場合ほそれから大きく外れ,正の化学的圧力を受けているとみなせる．一方, Aサイトが2価のHg, Caなどの化合物は超高圧または水熱合成法によって得られ，これらの絶縁体化合物においてもaとr_Aは直線断である．