4d,5d遷移金属を含むパイロクロア型構造酸化物の高圧合成と物性

摘要

我々はここ数年、4d，5d遷移金属を含むパイロクロア型構造酸化物を高圧下（4GPa）で系統的に合成し、その構造および物性を調べてきた。4d 遷移金属は3dよりバンド幅が広く伝導と磁性の競合が、また、5d遷移金属は強いスピン軌道相互作用による特異な物性が期待される。また、パイロクロア構造は比較的高密度相であるので、高圧合成に相性が良く、さらに、酸化剤の閉じ込めにより常圧では合成困難な原子価の化合物の安定化も期待できる。