水素·酸素による組織構造制御を利用した高強度·高延性純チタン粉末押出材の機械的性質

摘要

チタン合金は低密度,高比強度等の優れた特性を有することから，航空·宇宙機, 医療用デバイスをはじめとした様々な産業分野でその利用が拡大しつつある．しかしながら, 製錬工程における膨大なエネルギー消費や難加工性に起因した高コストは依然として大きな課題であり，チタン合金の普及を妨げている．そこで本研究では，安価な中間生成物である水素化チタン(TiH_2）粉末を直接原料化することで低コスト化を図り，また材料強化手法としては侵入型ユビキタス軽元素である水素·酸素を活用した結晶粒微細化および酸素固溶強化を同時に発現させることで，完全レアメタルフリー·廉価·超高強靭性チタン（UTS＞1100MPa，破断伸び＞20％）の創製を試みた．