界面活性剤水溶液流れにおける準秩序構造のパターン認識法による分析

摘要

界面活性剤や鎖状高分子などを水の流れに添加すると粘弾性の影響により乱流の状態は大きく変化する．この乱流では乱流構造が大きく変化し，運動量と熱の乱流輸送が顕著に低下することが特徴である．この現象は特に壁近傍に存在する準秩序構造の形態が大きく変わるため生ずると考えられる．このような特異な乱流輸送現象は学術的にも実用的にも重要であるが，基礎方程式を構成する上で不明点が多くさらなる実験的集積が必要である．そこで本研究では平行平板間乱流の界面活性剤水溶液流れにおいて PIV 測定を行い，Nagano and Tagawaによって提唱された方法により準秩序構造をパターン認識し，トラジェクトリを抽出する．これによりレイノルズせh断応力に直結する乱流構造の変化を認識することができる．さらに Adrianが提案した強い回転運動を抽出して渦のコアを見出す swirling strength の挙動をパターン認識に基づいて条件抽出することで，特異な乱流輸送現象に関係する渦運動の詳細を知ることが可能となる．上記の解析法により粘弾性流体に起きる乱流輸送現象と渦構造との関係性を調査する．