ガス交換膜による微細藻の培養促進に関する基礎研究

摘要

そこで本研究では，新たに二酸化炭素を微細藻培養液へ溶解させる方法として中空糸形状のガス交換膜に注目する．中空糸形状のガス交換膜はマカロニ状のシリコン膜であり気体を透過させる能力に優れ，人工肺などに使用されている．本研究ではガス交換膜を採用する．これにより無駄なく二酸化炭素を培養液へ溶解させることが可能となり，二酸化炭素の消費量を抑えることが可能となる．また，中空糸膜を使用することで二酸化炭素の回収装置は不要となり，微細藻オイルのコストの低減につながる．本研究ではバブリング培養方式に代わる中空糸膜を用いたフォトバイオリアクターの実現に向けて，クロレラ（chlorella vulgaris Beijerinck)を用いた基礎的な中空糸膜培養実験を行う．まず，中空糸膜による二酸化炭素の溶解挙動の把握を行い，その後，中空糸膜を用いた培養実験を試みる．バブリング培養を並行して行い，二酸化炭素消費量および培養速度の比較を行う．