SOFC電極性能と反応領域に対する特性長さの影響

摘要

固体酸化物形燃料電池（SOFC）における電気化学反応は電極内部に存在する電子，酸化物イオン，反応物の3 種が出会ういわゆる三相界面付近で起こる．三相界面は電極の至るところに存在するが，実際に反応に寄与する三相界面は電極電解質界面近傍であると言われている．反応に寄与する三相界面が多く存在する反応領域を把握することは電極反応機構の解明や電極微細構造の最適化のために非常に重要である．実験や計算から反応領域を調べる試みが行われており，反応領域を特に電極電解質界面からの有効厚さとして求めている．これらの有効厚さは電極の構成材料や作製方法によって大きく変化するため一般的な議論は十分とは言えない．計算については電極内の反応物の物質輸送及び濃度過電圧の寄与に関して十分に議論されていない．そこで本研究では，電極反応に関与する電子，酸化物イオン，反応物の輸送方程式を基礎としたスケール解析を行い，各特性長さと反応領域の関係について議論する．さらに電極マイクロスケールモデルを用いた数値計算を行い，実際の反応領域と特性長さの関係についても考察する．