スマートインバータのヘッドルームの設定方法の違いが電力系統の周波数および電圧に与える影響

摘要

スマートインバータ(以下SI)は, 太陽光発電(以下PV)が大量連系されることで生じる電力系統の周波数・電圧問題への対策として期待されている。Frequency-Watt(以下FW)機能は, 系統周波数に応じて有効電力出力を調整し,Volt-Var(以下VV)機能は, 自端電圧に応じて無効電力出力を調整する。また, FW 機能には, 常に有効電力出力を抑制するヘッドルームを設ける制御法(1)がある。ヘッドルームを設けることで, 通常のFW 機能では行えない, 出力上げ方向の制御も行えるようになるため, 周波数低下時でも貢献が期待できる。一方, ヘッドルームの設定方法とその効果に関する研究は十分に行われていない。そこで本稿では, ヘッドルームを設けたSI の系統サポート機能による周波数・電圧変動抑制への影響を解析した。