配向Cuテープを用いたREBa_2Cu_3O_7線材用中間層としての(La, Sr)TiO_3薄膜の構造および電気伝導特性の評価

摘要

我々はREBa_2Cu_3O_7線材の低コスト化のため、安価なCuテープを基材として用い、かつ高価なAgを使用しない構造に関する研究を進めている。これまでに、NiメッキCuテープ上に、導電性中間層としてNbドープSrTiO_3(Nb-SO)を用いたYBCO / SrTi_(0.95)Nb_(0.05)O_3 / Ni / Cu / SUS試料を作製し、超伝導電流密度Jcが2.6 MA/cm~2 (77 K、自己磁場中)を得ている。しかし、中間層として用いたNb-STOは、成膜直後には電気抵抗率が10~(-3)Ωcm以下の良好な伝導特性を示すが、その後のYBCO成膜や酸素アニールにより抵抗率が大きく上昇する。この中間層の抵抗率上昇のため、超伝導が破れた際のREBCO層からCu層への電流回避が不十分であると考えている。