力学学習支援システムにおける補助問題の自動生成ルールの提案

摘要

昨今，コロナウイルスの影響で自宅学習の機会が増加した．このような状況の中では，教授者のいないところでも学習者自身が演習を行い，理解を深められることは重要である．教授者を伴うことなく学習を進められる手法の一つに，知的学習支援システム（Intelligent Tutoring System: ITS）を使った学習がある．ITSは，即時に学習者に合わせたフィードバックを行い，インタラクションにより学習を進める学習支援システムである．よって，学習者に与えるフィードバックの設計が重要となる．例えば，学習者がある問題の解決を誤った際に，具体的な誤り箇所の指摘や，その誤り箇所の解説を与えることは一般的な手法として用いられている．一方，それだけでなく，元の問題を少し簡単にした補助問題を提示することで学習を進める手法も効果的であることが知られている．このような補助問題の提示は，誤り箇所の教示と比較し，学習者が能動的に考えて学習を行うことができる．